※この記事では、日常の中でふと感じたことや人生についての想いをエッセイとして書いています。
お菓子の詰め合わせの箱を開けると、母が必ず、
「はい、アイちゃん。」
とご挨拶と説明の紙をくれる。
母は、さっさとどれにしようかな、と選んでいる横で、私はこの紙を読むのが大好き、なのだ。
買ってくれたお客様への丁寧な挨拶から始まって、このお菓子の誕生秘話とか、込められた想いが載っている。どんなところを工夫して、どんなところに苦労したのか。
そんな「お手紙」を読んでから味わうお菓子は、また格別なもの。
へぇぇ、お母さん、この形に意味があるんだって。
フゥン。アイちゃんはいつも、能書きからだよねー。笑
悪気はないのだが、母はあんまり聞いてない。
「どれにするの?これ、おいしかったよ。お父さんは、これね。」
父の分まで勝手に選んでいることもあるが、問題はない。
畑から帰ってきて、阿吽の呼吸で母が淹れてくれたお茶と、お菓子をありがとうね、と言って食べている。
私はいつからこうなのだろう?と考えてみると。やはり、幼い頃からの、「どうしてだかわからないと、納得できない」という厄介な癖が影響しているらしい。
ジャパネットたかたの通販番組を見るのが、私の趣味でもある。
先代の社長さんが、独特な甲高い声で商品を紹介するのも大好きだった。
最初は、疑り深い気持ちで見ている。
まぁた、買わせようとして。お手並み拝見じゃないですか。
最初は低い落ち着いたトーンで話し始める。
だけど、聞いてほしい特徴は、少し強調した高い声ではっきりと言う。
HITACHIのエアコンの宣伝で、
聞きなれない言葉を言ってから、え?それって何?って思いますよね?とお客さんの疑問をさっと拾う。
そして、どんな機能なのかを優しく説明してくれるので引き込まれていく。
そして、それだけじゃないんですよ。と小さい声で言われると、人間、え!ってなる。
次に一番強調したい機能を出してくるけど、最初はエアコンが、どうやって空気を冷やしているか、を簡単に説明してくれる。
ここで、ほほーう。なるほどね、よく知ってるわ、と安心感を持つ。
「このフィルターが汚れると、臭いとか空気の汚れとか気になるんですよねぇ」
ありがちな困りごとを生活者の目線に降りて、共感する。そうそう!と前のめりになっている。
そこで!!
ひときわ、声が大きくなって、「凍結洗浄!」
何それ?なんなの、教えて!という質問にすぐさま答える。
「実は、内部を凍らせて、菌、ウィルス、ホコリ、カビを、」
ここからが真骨頂。
「ピキ!!と凍らせ、ジャバーと洗い流す!」
をなんと4回も繰り返したではないか!!笑
音があってわかりやすくて、すぐに頭に入ってくるフレーズだ。
ここまでくると、最初の「またまたぁ。」という気持ちは吹っ飛んで、面白いなぁ、すごいなぁ、と思い始めているのだった。
どうしてすごいのか、何を工夫したのか、を聞くことでスッキリして、満足できる。これが、私の通販番組が大好きな理由の一つ。
特に頭が疲れた夜勤明けは、楽しく観ている。
人の心を掴んで、一瞬で信頼感を得て、買いたくなる気持ちを高める。だけど、全然、不快感を感じない。プロの技術だなぁ。と思う。
どうやら私は、物を買うにも、お菓子を食べるにも、まず「なぜ?」を味わいたい人らしい。
母の言う通り、なんでも能書きから。笑
こんなふうに楽しんでいる人、あんまりいないかな。

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