※この記事では、日常の中でふと感じたことや人生についての想いをエッセイとして書いています。
同じ歳の息子を持つシングルマザーで、看護師という共通項を持つ若葉さんから、
「霊験あらたかな観音様がいるから一緒に行こう」と誘われた。
向かったのは千葉県の笠森観音。
このときの話は、また別の機会に。
若葉さんは、50代に入って、人生を一緒に歩むパートナーが必要じゃないか、と考え始めたという。
離婚してから早15年以上が経過している。今までは、息子のために頑張って働いて、こんなことを考えたこともなかった。だけど、息子の巣立ちを前にして、はたと考えた。
私はこのまま1人で生きていけるだろうか?
きっと、誰もが一度は考えることだと思う。
彼女の周りにも変化があった。以前から、お姉さんは彼氏さんがいて楽しそうにしている。友人の1人がマッチングで理想の人とお付き合いを始めた・・。そんなことが重なってきた。
私も「おひとりさま」を満喫しているように見えて、完全に割り切っているわけではない。
だから、娘たち若者の恋愛模様を眺めながら、私にはこんなの無理だわ、と思ったり、眩しいなぁと思ったりするのだろう。
迷ったり、後悔するくらいなら、活動してみるのもいいんじゃないか?と観音様に願掛けをしに行ったのが、去年の秋。
そして、先日、10年ぶりに眼科時代の同僚と飲まない?と若葉さんが飲み会をセッティングしてくれた。
彼は、視能訓練士として働いていたが、今は医療機器メーカーに勤めているという異色の道を選んでいる。
彼は毎日同じ部署で勤務していたわけではないので、私が看護学校に行くことになったきっかけのエピソードを今さら知った、と驚いていたり、10年前の熱い思いを語って、笑いあった。
お会計では多めに払いますから、というのを若葉さんが抑える。
「笑、俺のこと、まだガキだと思っているでしょう?」
「お父さんになったとはいえ、この年の差はいつまでも縮まらないんだから、いいから、いいから。」
微笑ましいやり取り。
私たちにとっては、年の離れた昔の同僚の誘いを快よく受けてニコニコと話を聞いてくれただけで、胸がいっぱい。ありがとう。
彼と別れて、コーヒー片手にお互いの「進捗状況」について話し合うと、
お互い、なんとなく違和感を感じて、結局活動をしていない。
「なんかねぇー、気がすすまないのよね。」
「わかるー。」
お互いやりがいのある仕事を持っていて、緩やかな人とのつながりを持っている。
自分の時間やつながりを大切にしたいから、娘たちのような「ヤキモチ」なんて窮屈だし、(そもそも、ヤキモチを焼くエネルギーがあるのか謎)いつも一緒にいたら息が詰まってしまう。
「結局さ、一緒に住まないで、いつもは適度に放っておいてくれて、だけど、本当は一番大切にしてもらいたいってことでしょ?笑」
「そうそう、そして、知識がいっぱいあってさ、いつも知的な刺激をくれる人ね。」
お互いの理想像を話し合ってできた人物像があまりにも現実離れしている。
目を見合わせて、吹き出した。
「いないってばー!!」
気がつけばラストオーダーの時間になっていた。
積極的な活動はしないけれど、出会ってしまうかもしれない、という希望的観測は残しておこう。
という曖昧で少し希望もまぜた結論を叩き出して、笑いながら駅に向かった。
ホームで若葉さんに息子ちゃんから着信があって
「えぇ?またぁ?なんで。」
とただ事ではない様子。電車でも乗り遅れたのかと思ったら、彼女さんが先週に引き続き、また若葉さんたちの家に泊まりたいと言ってるという。
あらら、まだまだ、1人だけの時間はやってこないようだ。
ひとりを選んでいることにも理由が見えてきた。
今の暮らしに満足していて、人とのつながりを緩やかに保っていきたい
そして何よりも自由でいたい…
だからこれからも、私たちは迷いながら進んでいく。
そんな揺れる50代も悪くないよね。
今という時間を、自分たちらしく大切にしていきたいと思った。
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