海王丸167人全員を救助せよ|新プロジェクトXより

2004年10月。実習生の乗った帆船、海王丸を台風が襲った。

急遽、富山湾に寄港したが、強風と高波に飲まれて座礁。

最上階の船室に全員が避難できたものの、停電のため真っ暗になり、海水が押し寄せて、胸まで浸る状態のまま、学生たちは救助を待っていた…

海上保安庁の特殊救難隊がヘリコプターで到着。しかし、その状況は絶望的であったという。

6メートルにも及ぶ高波と横殴りの強風が休むことなく襲いかかる。その度に船は大きく揺れている。

地元の消防が救助しようと近づこうとしても、陸や海からは近づくことができない。

荒れ狂う天候の中で、ヘリコプターで接近し、ロープで直接船へ降下して救助の足がかりを作らねばならない。

海王丸は帆船であるため、数本のマストにロープが網の目のように張り巡らされている。このような構造の中、従来のロープを垂らして伝って降りる方法では、絡まって失敗する危険があった。

これまで、このような救助の現場を見てきた当時の救難隊の佐々木さん。

彼は、ロッククライマーの技術を参考にして、ロープを最初から垂らすのではなく、少しずつ繰り出しながら降下する方法を考案し、何度も試行錯誤を繰り返していた。

他の隊員が諦める中で、1日に500回以上の練習を繰り返して、足がパンパンになるまで階段を駆け上る毎日。

何度も試して完成させた新しい降下法。それを今、自分がやるしかない。

「行くよ!」

声をかけて、50センチに満たない足場に向かって、降りていく。

途中で止まり、操縦士の森さんが慎重にヘリコプターを船のマストに寄せる。

森さんには、佐々木さんの姿は確認できない。管制の指示と自分のつかんだ操縦桿の感覚のみ。

やった!降りた!

息のあったヘリコプターの操縦士と共に、作戦を決行する姿は、神がかったものを感じた。

しかし、それは運が良かったのではなかった。

司会のアナウンサーが、極限の状態の時に思い浮かべることや、人はいますか?と質問した。心の拠り所を訊いたのだと思う。

佐々木さんは言う。

自分には…ないですね。ただ、自分を信じることです、今まで自分がやってきたことを信じることだと思います。

仏教の教えの中の、自燈明、という言葉を思い出した。

自分を信じて、自分の放つ光で道を照らしながら歩いていく。

積み上げてきた努力の日々が、自信を与え、その時の成功に導いたのだ。

彼は、驚いたことに、最初は「カナヅチ」だったそうである。救助隊に憧れて、必死に水泳を練習して最前線に立ち、指揮を取るまでになった。

その経歴を少し聞いただけで、この人は「自分を信じる心」を育ててきた人なんだなぁ、と思った。

今できないことでも、自分なら、いつかできると強く信じることができること、そして、たゆまぬ努力を重ねられること、これは、どの分野においても当てはまることではないだろうか。

この強い心は、一朝一夕で身につくものではない。どんな子ども時代を過ごしたのかな、と彼の成長過程にまで興味を持ってしまった。

「自己肯定感」って改めて、大切なんだな、と感じた夜でした。

※物語について

海上保安官、地元消防士の皆さんの決死の救助活動によって、教官、生徒たち、乗客、167人全員の人々が命を助けられました。

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