純粋な心が人生を変える|息子が教えてくれたこと

※この記事では、日常の中でふと感じたことや人生についての想いをエッセイとして書いています。

人生には、どんな人にもそれからの人生を変える人が現れる、そう思っている。

それは、親かもしれないし、友人や先輩かもしれない。

出会った時、その言葉は必ずしも耳に心地いいものとは限らない。

それでも、その言葉を素直に受け取って、自分のものにしていける人が、変わっていける人なんだと思う。


息子の転機

息子が中学生の頃のこと。

それまでの息子は、勉強をちゃんとしたことがなかったらしい。

野球で疲れて、授業中はいつも寝ていた、と後から聞いた。

確かにテストの成績は低空飛行、平均以下。

ある日、私は答案を見ながらこう言った。

「あのさ。君の人生はお母さんのものじゃなくて、君のものなんだけどさ。

勉強が嫌いならそれでもいい。でも、それなら別の道で生きていく力をつけないといけないよね。

今はやりたいことが見えなくても、将来見つかったときに

“勉強しておけばよかった”って諦める場面があるかもしれない。

自分の選択肢を今、狭めるのは、もったいないと思うよ。」

でも、その時の息子の態度は変わらなかった。


たった一言で変わった日

それが、ある日を境に急に成績が上がり始めた。

「最近、調子がいいけど、どうしたの?」

と聞くと、息子は笑いながら言った。

「あー、俺さ、鍋島に

“オマエ、バカだなー!”って言われたんだよ」

その時は頭に来たんだけど、周りを見回してみたら、俺が1番バカだった!笑」

カラカラと笑っていた。

それから、どういう心境の変化があったのか、鍋島くんに勉強を教えてもらったらおもしろいように伸びた、という。

ははぁ…やる気スイッチ、なのか?


見てくれていた人

「アイツ、頭いいし、どうして俺に構ってくれたの、ってきいたんだよ、そしたら、

『オマエは素直なやつだからな。』って。」

この短い言葉にすべてが詰まっている、と思った。

普段、ふざけてばかりで、勉強もろくにしてなかった息子の奥にある、素直な心を彼はみてくれていた。

それだけで、心が温かくなった。


少し調子に乗った話

しばらくして、息子は当時の成績では到底届かない志望校を口にした。

「ええ?かなり難しいところだよ?」

「うん、受験までに偏差値上げとけばいいでしょ」

……名言すぎる。

それを言ったら、全員そうじゃないか。

寅さんの、それを言っちゃあ、おしめぇよ、である。


そして今

今でもこちらに帰ってくると、必ず鍋島くんと会っている。

ある時、息子がぽつりと言った。

「鍋島が声をかけてくれなかったら、今の俺はいないと思う。感謝してる」

そうだね。

君が、「バカだな、」って言われて、腹を立てただけだったら、何も変わらなかったね。

ふと、友達の言葉を素直に受け取って、周りを見渡してみたこと、それがとても大きな転換点だったんだと、お母さんは思うな。


素直であるということ

人は、普段の姿をちゃんと見ている。

人を欺いたり、騙して得をしようとしたり、

さぼったり、、うまく立ち回っているつもりでも、ちゃんと見られている。

人生を変える幸運の種は、誰にでもやってくる。でも、必ずしも全員がその転機を活かすことができるとは限らない。

人からの苦言でさえ、素直に受け取れる土壌があってこそ、人生を変えるその種は芽吹くのかもしれない。

 

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