※この記事では、日常の中でふと感じたことや人生についての想いをエッセイとして書いています。
出勤途上、駅を歩いていたら、レースのリボンをつけたお嬢さんの後ろ姿を見かけて、懐かしい気持ちになった。
もう数十年前になるけれど、私は女子校に通う乙女でした。笑
母や伯母も卒業した伝統のある学校で、昔は女学校でした。
校則で、リボンの色は、黒、紺、茶色、幅は3センチまで。
でも、校舎を出たら、さっそくポニーテールに白のレースやいろんな柄の幅広のリボンに付け替えていました。
毎日、違う髪型にしてリボンを選んで。
男の子の視線よりも、自分がどのくらいかわいく見えるか、が1番。
左右に振り分けた髪を三つ編みにして、耳のところでくるっと輪を作って、リボンで飾る、「ダイアナヘアー」も、はやりました。
「赤毛のアン」のダイアナに憧れて。
こんなふうに書くと、女子校はおっとりしていて異次元なんだ、と思われる方、いらっしゃると思いますが…
別の意味で異次元でした。
男子の目がない、って本当に自由なんです。
自分を飾るくせに、体操着は脱ぎ捨て、いつのソースだかわからないものが、教室で共有されている。
先輩は、いつも上履きの踵を踏んでいるのに、文化祭になると、新しい上履きを履いてくる。
唯一、男子が校内に入ってくる日、だから。
「あのね、待ってるだけじゃダメなのよ」
と言いながら、ピンクのリップをつけている先輩に
大人だなぁ、と憧れの視線を送る。
お腹空いた、と2時間目の後に早弁をして、お昼は購買のパンを争奪し、放課後はあんみつを食べて帰る。
そんな生活をしていて、太ってきたことにも気がつかない、ジャンパースカートの恐ろしさ。
とにかく、あけっぴろげで、気取らない、笑わない日はない幸せな毎日でした。
娘も県内の女子校に進学しました。
それまでは、いくら勧めてもスカートは履かないし、ピンクも選ばない子だったのに、
高校生になってから、髪を伸ばし、リボンをつけ、靴下までリボンがついていて、キラキラのピン留めをして…
かわいいなぁ、たのしそうだなぁ…
と思って見つめていました。
やっぱり、早弁したり、男子には見せられない変な踊りをした動画で笑い転げたりして、女子だけのワンダーランドは共通の雰囲気があるようで。
娘が、就職してとても気になった同僚に、
「もしかして…女子校出身?」と尋ねたら、
お互いに、「やっぱり、おまえもか!」
と笑い合ったそうです。
「そんな匂いがしたんだよねー!!」
今では、娘の親友です。
駅で見かけた、一本のレースのリボン。
キラキラといつまでも若く、楽しい思い出の日々へ、
もう一度、私を連れて行ってくれました。
ちょっとアンニュイだった通勤の朝が、ふっと明るくなる。
ありがとう。
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