温かい異動のエピソード|急性期から慢性期へ、私が受け取った看護のバトン

※この記事では、日常の中でふと感じたことや人生についての想いをエッセイとして書いています。

今の病院に入職してはや6年目となった今年、急性期から慢性期病棟へ異動が決まった。

看護師免許を取って3年目の春。

ここでやっていけるだろうか、という不安と、やっていかなくちゃならない、という奮い立たせる気持ちを持って、この病棟にやってきた日を鮮明に覚えている。

初めて就職した病院では、何もうまくいかず、怒られてばかりの毎日。自分なりに努力しても、どうしてもついていけなかった。(詳しいことは、順調ではなかったスタート編に載せています)

よろしくお願いします!!

ちょっとびっくりするくらいの声量で、皆さんにご挨拶した。

いつだって、最初の印象が大切なんだ…と私は思っている。転勤族の娘として育ち、大勢の知らない人の中に放り込まれる不安と闘うために、こうして自分を奮い立たせてきた。

手にしていた仕事を止めて、くるっと笑顔で振り返ってくれた人がいた。

よろしくお願いします!

目を見て、挨拶もしてくれた。

その笑顔が本当に素敵だったから、私に付き添ってきた師長が思わず、「知り合いなの?」と声をかけたくらい。

それまで、看護師として働いて、こんなに素敵な笑顔で挨拶をしてくれた人はいなかった。

とても言葉にできないくらい、驚いた。

笑顔と挨拶って、こんなに人を安心させるものなんだ、と実感した瞬間だった。

これが、猫好きナースあずちゃんとの出会いであった。

それからは、入院してきた患者さんや新しく入職してきてくれた方、看護学生たちに、必ず手を止めて笑顔で挨拶をすることにしている。

今回の異動が決まったとき、みんなが「寂しい」とか「行かないで」とか「私も行く!」とか言ってくれた。

一緒の勤務が今日で最後なんだ、とプレゼントを持ってきてくれた人もいた。

入職してきて、ここで一人前になりたい、と必死に馴染もうとしてきた日々が思い返された。

新人ナースは、やらせてください、教えてくださいと自分から言わなければ、どんどん時間と人は過ぎていってしまう。

これは意地悪なのではなくて、皆が仕事に追われている、という現場の空気なのだ。

これまで、そういう現場で働いてきた。

私はまだ、駆け出しのナースで、採血や点滴などの基本的な看護技術も十分にできていなかった。

ここに入職して、勇気を出して「やらせてください」と言うと、任せてくれて、どうしても針が入らない時は、誰もが助けてくれて、「慣れてくるから。大丈夫」と励ましてくれた。

これは、病院では当たり前のことではない。ということを知っているから、本当に嬉しかった。

精神科は他の科に比べて処置は少ないと言われることもある。

けれど、処置以外の業務が山ほどある中で、こうして時間を割いてくれる親切な対応は当然ではない。

困っている人を見つけたらすぐに手伝うし、(みんなが手伝いすぎて、ステーションが空になることもある)

看護で悩んでいることがあれば、相談できるし、そこで解決が難しければ、全員でカンファレンスを開くこともある。

こうして、私は技術を学んだし、患者さんへの対応も学び、自分なりの看護観を育ててきた。

この古巣を去ることは、本当に名残惜しいけれど、この春に新しい現場と仲間に出会って、慢性期看護を学びなさい、という導きだと思う。

1年ほど前に60代の女性が助手として入職してきた。私は意識していなかったけれど、この方が

「初めて夜勤をやった時に、とても親切に教えてくださったから」

と私が猫好きなのも知っていて、猫がモチーフのプレゼントを用意してくださった。

彼女とは、とても親しいという間柄ではないけど、年齢を重ねて、全く違う仕事に挑戦しようと頑張っている姿を応援していたし、最初の夜勤での出会いを私は覚えていないのだけど、こう思ってくれていたことがとても嬉しかった。

今までの挫折の経験が、人の親切を、より「有難いもの」として受け取れる土壌を作り、周りの人々への感謝の気持ちと態度を生んでいるのだとしたら、無駄ではなかったな、と改めて思う。

惜しまれて異動できる幸せを感じている。

あの日もらった笑顔と安心をこれからも手渡していきたい。

ありがとう。

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私のブログでは、子育て卒業後の”自分らしい毎日”をテーマに、看護・家族・猫・ポタリングなど、日々の小さな挑戦と気づきを綴っています。

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