社会人になった娘と私の微妙な変化
娘は社会人になってから、1年ほどは家にいた。仕事柄、私より遅く出勤して、だいたい、定時には帰れないから、残業して午後10時くらいの帰宅となる。
とても不思議なことだが、娘が学生の頃は家事をやらなくてもなんとも思わなかったのが、社会人になってからはなんとなく理不尽さ(笑)を感じるようになってきた。
親子関係は変わらずとも、社会人としては対等になった、という少しだけの変化。
家事をしない娘と、もやもやする母

日勤から帰ってくると、休みだった娘が朝のパジャマのまま、リビングでのびている。もちろん、家事は何一つやってないし、むしろ、使ったコップやお皿の洗い物が増えている。洗濯物はもちろん、取り込まれていない。
「雨降ってるんだよー?」
「え?そうなの?」
「・・・こらこらこら」
(おかしい・・・おかしくないか?お互い、働いているのに、なんで私だけ?)
同じ年頃の娘を持つ同僚にこの話をすると、
「うちもそうだよ。なんでパジャマのままなんですか?って聞いたらさ、
『お母様の洗濯の手間を省くためです!』とか言っちゃってさー、思わず、おもしろいから許しちゃった!
まぁ、自分で育てた娘だからね、仕上がりも自分の責任ってことで。」
結局、子育てはブーメランのように自分に返って来るもの、なんだよな。
巣立ちが見えた時、私が決めたこと
娘には勝手に(ご飯作っておいてくれないかな)とか、期待しちゃって、やってないとガッカリする。
今まで頼んだことないのに、やるわけないじゃん!笑
わかってる、わかってるんだが・・・
などと、私の心の葛藤はさておき、娘には、1年ほどおつきあいを続けてきた彼氏との同棲話が浮上。
「今、物件探してるんだー。夏には出ていくからサ」
こともなげに言う。
一瞬、ドキッとした。(まずい、本気っぽいな・・・)
前年に息子が家を出て、当時は娘とふたり暮らしになっていた。娘が自立すれば、「完全なひとり暮らし」になる。
私は、ひとり暮らしをしたことがない。両親の元から嫁に来たから。
「ふぅん・・・そう。」
彼氏はいい子だけど、2人で一緒にいたいから夜までうちにいることが多かった。なんと言っても我が家は狭いので、リビングで2人が仲良くアマゾン観てるのは微笑ましいけれども、実際、
(そこー!私の、ごろ寝スペースぅ!)って心の中で叫ぶ日も。笑
ごまの冷たい歓迎と、母娘のちょうどいい距離感
正直、自分の精神状態がどうなるのか、不安だった。「空の巣症候群」ってよく聞くし・・・
「置いていかれた」と感じるのはつらい。
よし!!それならば、と私は決めた。
「気持ちよく、送り出す」感覚でいよう、と。
それには準備が必要だ。娘から、少しずつ心理的距離を広げて、自分の世界を広げることだ。誰かのお母さん、じゃなく、元のAikoとして、大地に立つこと・・・
私は余裕な顔をしながら、必死に娘が飛び立つ前に!と自分の気持ちの整理と準備を着々と進めていくことになった。
娘が巣立って1週間後、寝ていた午前0時。
ガチャガチャ!玄関のドアを開けようとする音がするではないか。
(え!!誰!!嘘!!誰も帰って来るはずないし!泥棒!?)
玄関を破られたら逃げられない。と玄関まですっ飛んでいって、ドアが開く前にドアノブを引っ掴んで、引っ張り合いになった。
「ちょ!ちょっと!ママ!」
声の主は娘であった。
「な、何よーーっ。し、死ぬかと思った・・・」
「なんで。」
「なんでって・・・帰って来るなら電話すればいいのに。」
「起こしちゃ悪いと思って。飲み会だったから、こっち来ちゃった。ごまにも会いたいしー」
なにを、のんきなことを。
出ていくとか、自立するとか、一丁前なこと言って、これだ。
私の決意とは裏腹に、のんきなんだから・・
だけど、こうやって、頻度は減ったものの、時々娘がうちにやってきては、お腹すいたーだの、疲れたぁ、だの言っては、私のごろ寝スペースを占領して、仕事の愚痴やら何やらこぼして帰っていくのも、いいかなと思っている。
うん、これくらいが、私たちにはちょうどいい距離感。
ちなみに・・・
突然、出ていった娘の事情を、愛猫ごまさんにはわかるはずもなく、娘にとーっても塩対応だった。来ると、押し入れに隠れちゃうし、出てきても
「どちら様ですか?はぁ?」
ていうような顔。
しばらくプンプン💢していたようだ。寂しさもあったのかな。
今では、通常対応に戻って、仕方なく娘の鼻を舐めて、毛繕い?してくれたり、気が向けばそばに座ったりするごまさんなのでした。
あとがき
社会人になった娘との関係は、「親と子」から「社会人同士」へ少しずつ形を変えていく。
娘が家を出たことで、私は本当の意味で、母から私へと戻る旅を始められたのかもしれない。
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