天真爛漫な母のこと|母の日に寄せて

※この記事では、家族との日常の中で感じた成長や想いを綴っています。

母は、太陽みたいな人

母は、私にとって、太陽みたいな人である。

眩しくて、真似できない魅力の詰まった、なくてはならない存在、とでも言っておこう。

今日は、母のことを書いてみたいと思う。

三女として生まれて

母は、自分のことを

「私が生まれた時、3人目の娘だったから、また女か、って父が言ったんだって。」

と昔からよく言う。

4人きょうだいの三女で、上に姉が2人、下に弟が1人。

時代を感じる言葉だが、母はそれなりに傷ついていたのではないかな、とは思う。

だけど、その立ち位置が母をのびのびとした女の子にしたのも皮肉といえば、皮肉である。

「私の次に初めての男の子が生まれたでしょ?(両親が)かわいがっててさー!

甘いのよ、アイツには。

内緒でお小遣いもらってて、いっぱいお金持ってたんだよー」

この話をするときは、いつも若返ってしまうらしい。姉と弟の構図である。

ちゃっかりと生きる力

駄菓子屋に行く途中に、ガードのない橋があって、一緒について行く代わりに付き添い代をちゃっかりと取っていたのだと言う。なんとも、たくましい。

弟の貯金箱に、お父さんがそっと小銭を入れているのを知っていて、頭を使って、正攻法で一部を懐に入れる。

暴力でぶんどるのでも、親に文句言うわけでもなく、商売人みたいな発想だ。自分の行動に価値がある、ということを知っている。なんか、秀吉の若い頃みたいだな、とも思う。

ちなみに、姉たち2人は、わりと厳しく育てられていたので、生真面目で、こんな発想は思いつきもしないし、まさか、妹がこんなことをしていたなんて、知らなかったに違いない。

てるこちゃんは変わらない

「てるこちゃん。」と姉たちに呼ばれていたから、姉たちの子どもたちにも、

「ねえ、てるこちゃん!」

とおばさんになっても、おばあちゃんになっても、呼ばれている。

その、てるこちゃんは、戦後の食糧難の時代に生まれた。食べ物がなくて、小さい赤ちゃんで、生きられるのかと心配されていたそうだが、母は大きな病気をしたことがない。

むしろ、私が母親になってから、インフルエンザにかかった時も、お見舞いに来ても、自分はうつらない。

「お母さんはね、病気になっちゃいけないのよ、いつも元気でいなくちゃー」

などと、無茶なことを言ったりもする。

忘れられない電車の出来事

サザエさんみたいに明るくて、そそっかしい。私が幼い頃、母と弟と3人で電車で祖母の家から帰る時、時刻表を見てくる!と言って電車から1人でひらりと降りたと思ったら、目の前でドアが閉まって発車してしまったことがあった。

母の慌てた顔が、去っていく。

あ!おかあさん!

あまりのことに声も出なかった。幸い、祖母が途中まで送るからと一緒に乗っていてくれたのが幸いで、隣の駅で降りて不安な気持ちで待っていた。

「ごめぇーーん!」

数分して、次の電車からに駆け降りてきた母と祖母を交互に見た。

笑っていたけど、子どもの私には天変地異くらいの衝撃で今でも忘れられない。

諦めなかった母

三女らしい現実主義者でもあり、行動力もずば抜けている。苦労人で真面目な祖母は、母が大人になってからの旅行も禁止したし、祖父も女は車の免許なんか取ってどうするんだ、と反対した。

そこで、姉たちは諦めていたが、母は、これからは免許が必要なんだ、と自分のお金で教習所に通ったり、反対を押し切って旅行にでかけていた。

「私はおじいちゃんに期待されてなかったけど、結局は、免許取り立てで、おじいちゃんを車に乗せたりして、結構役に立ったのよー、親孝行な娘なんだから。笑」

こんなふうに最後はだいたい締めくくる。

これが主題なのだ。と思う。

生まれた時、ちょっとがっかりされた自分。だけど、持ち前の明るさでどんどん人生を切り開いていく母は、まさに天真爛漫という言葉がぴったりの人だと思う。

彼女の前には、不幸な出来事なんか近づけないオーラがあって、「どうにかなるさ!」という明るい笑顔がいつもある。

眩しさの中で育った私

私はまさに、照り輝く母の子として生を受けて、パワーに圧倒されつつ、足がもつれる日もありながら、子ども時代を過ごしていた。

私は、のんびりやで要領の悪い長女気質で、足も遅かった。

そんな私を歯痒く思うのか、

「なんで、もっと速く走れないの?」

と私にもわからない無茶な質問をする。

正直に言えば、泣きたい時もあったし、反発して叩かれたこともあった。

でも今は、私を信じて全力で応援して育ててくれた母がいてくれたことに感謝している。

ありがとう、お母さん。

 

▶︎母の原点ともいえる、祖母の話はこちらに書いています。 

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