ごまさんのトイレタイムは、密かな人気コンテンツ
ごまさんのトイレタイムのファンは多い。ごまさんにとっては、とてもとても迷惑なことなんだけど、トイレに座って遠くを見ながら、じっと用を足す姿が、本当に愛らしい。
いつも、砂をチャッチャと前足で少しだけ掘ってからトイレに入り、くるりと方向転換。こちらを向いて前足をトイレのヘリに乗せ、じっくりと腰を据える。
だから砂をかく音が聞こえると、悪趣味だとは思いつつ、そーっとトイレの様子を観察して、飼い主はほっこりしてしまうのだ。

ある日突然の異変
それが、先日来、異変が起きた。
トイレに座ると、
「アオォーン!アオォォン!」
と、聞いたことのない低い声で鳴く。
トイレから出てくると、お股を気にしている。
……んん? もしかして、痛いのかなぁ?
トイレには黄色い尿。血尿ではなさそうだけど、明らかにいつもと違う。
キャリーがない!緊急事態
よりによって、キャリーがタイミング悪く壊れていた。
子猫の頃に使っていたファスナー式のキャリーに入れようとするも、素早い動きでファスナーを閉めている間に脱走。
「なにすんだヨォ」
という声が聞こえそうな顔で、完全に警戒モード。
これはダメだ。
夜に車を走らせ、ペットショップを2軒はしごして、なんとか新しいキャリーを手に入れた。
元気そうだけど、病院へ
翌朝、キャリー嫌いのごまさんに、なんとか入ってもらって動物病院へ。
今朝は普通にトイレに行き、ご飯も食べて元気そう。
でも、動物の医療費は天井知らず。
「早めに行かないと……」
そんな気持ちで、かかりつけの病院へ向かった。
ハワイアンが流れる待合室で
病院の待合室には、今日もハワイアンミュージックが流れている。
血統書付きのお犬様たちが、お行儀よく鎮座。
トリミングサロン併設なので、カット予約のお客犬様もいる。
……フゥン。
いつ来ても高級感あふれる空間だなぁ。
ねぇ、ごまさん?
ごまさんは不本意そうに、黙って向こうを向いたまま座っている。
先生の飼い猫ランちゃんが、たまに待合室に現れる。
ゆっくりとごまさんのキャリーに近づき、匂いを嗅いで去っていった。
「オジャマシテイマス……」
診察結果と、現実的なお会計
「ごま助ちゃーん!」
フルネームで呼ばれて診察室へ。
文字通り“借りてきた猫”状態のごまさんは、エリザベスカラーを装着。
エコーとレントゲンを撮り、
「膀胱炎でしょう」
という診断で、抗生剤が処方された。
さらに、しばらく通院をサボっていたため、ワクチンを2種類追加。
お会計は——
合計 22,880円。
「か、カードで……」
大事に至らなくてよかったけれど、これはなかなか痛い。
帰りに、待合室に置いてあったペット保険のパンフレットをもらって帰った。
正直、まだ若いし、元気だし、いらないかな。と思っていたけど、このお会計を見るとちょっと考えてしまう。
帰宅後のごまさん
具合が悪かったのか、怒っていたのか。
ごまさんはキャリーの中でオシッコをしてしまい、自分にかかってしまった。
その結果——
大嫌いなお風呂に入れられることに。
これはもう、かなり、かなりご立腹。
「しかたないじゃないの……」
と飼い主は思うけれど、
たぶん、喋ることができたなら、
「今日は、なんて日だ!!!」
って言ってるよね。
おつかれさま、ごまさん。
※この続き、血尿事件は【その2】で書く予定です。



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