[息子の巣立ちシリーズ番外編]おやつは思い出 おかえりのお団子

※この記事では、家族との日常の中で感じた成長や想いを綴っています。

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あなたには、心に残る「おやつの思い出」はありますか?

母の手作りおやつがくれた原点

私のお菓子作りの原点は、やはり母の手作りおやつ。母は、もともとおやつを作る人ではなかったが、転勤先で知り合ったママ友たちと簡単なスポンジケーキを焼き始めたのが始まり。

学校から帰ってきたら、丸いスポンジケーキにジャムを塗ったシンプルなお菓子があって、まだほんのりと温かく、母が一生懸命作ってくれたおやつが、とても嬉しかった。

母は大雑把な性格で、細かいことを気にしない人だ。金型に入れずに柔らかいグラシン紙の型に生地を流し込んで焼いたために、形が崩れて扁平になってしまったマドレーヌを笑いながら、

「味はいいよ!食べられるよ!」

と出してくれた日もあった。

私にとって、どんなものでも、「母が作ってくれたお菓子」ということに意味があった。

プリンやゼリーなんかも作ってくれたけど、

「あれは節約のためにやってたこともあったけど、大変だったからやめちゃった!笑」

と、しばらく経ってから告白していた。

確かに、またなの。と正直思ってしまうくらい、凝っていた時期があって、この後はパッタリだったっけ…

理由はどうあれ、嬉しいおやつの思い出が、私の心に残ることになった。

母から受け継いだ、お菓子作り

自分が母親になってからは、テレビや雑誌で紹介されているいろんなお菓子を作ってきた。たまごボーロ、カップケーキ、パウンドケーキ、クッキー…

その中でも、心に残る、切ないお団子の話を紹介したいと思います。

息子が言った「さみしい」のひとこと

息子が小学校に入学して、短時間のアルバイトを始めた。それまでは、公立の幼稚園だったので、送迎をしていたのだが、初めて鍵を持たせて、上の子が帰ってくるまでの1時間を、1人で過ごしてもらうことにした。

 おかえりのお手紙と、おやつをテーブルに乗せておくのが定番で、たまに手作りのおやつを用意することもあった。

ひと月くらいたったある日、手作りのみたらし団子をお皿に山盛りにして、

「食べて待っててね。」

とお手紙をつけた。

帰ってきて、

「どう?大丈夫だった?」

と息子に聞くと、

「うん。でも、僕、さみしい。」

と一言。

大人の私にとっての1時間は、取るに足らないものだけど、小さな息子にとっては、「おかえり」と言ってもらえない静まり返った誰もいない家で1人でお姉ちゃんを待つ、長い不安な時間なんだ、と気がついた。私は胸が締めつけられた。

「ごめんね。

お母さん、今まで気がつかなかった、そうだったんだね。」

ずっと我慢していたこと、言えなかったんだ。悪いことをしたなぁ…

と反省、学童保育に申し込むと、息子は生き生きと学童に通い始めて、やがて、地域のお年寄りの指導で、ベーゴマの名人になっていった。

大きくなっても「みたらし団子」

やがて、成長した息子に、「おやつ作るけど、何がいい?」と聞くと、

迷わず、「みたらし団子!!」という答えが返ってきた。

今でも、みたらし団子を見ると、あの時の小さな息子を思い出してキュン、とする。そんな切ないおやつのおはなし。

おやつはただの食べ物ではなくて、親子の心をつなぐ小さな思い出、なのかもしれない。

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