お盆が過ぎると、毎年思い出すことがあります。

あの世から帰ってきて、送り火でまた帰っていく――そんな季節にぴったりの、息子が幼い頃に体験した“ちょっと不思議なできごと”です。
幼稚園の息子が見たもの
息子が幼稚園生のとき、義父が亡くなりました。
不器用ながらも、キャッチボールをしてくれたり、欲しがるものを買ってくれたりする優しいおじいちゃんでした。
義父が亡くなってしばらくしてから、息子が言い出したのです。
「あ、今、じーじがあそこから手を振ってるよ、ほら。」
指さすのは、キッチンの作り付けの棚。
そして、続けざまに、
「じーじはね、すごいんだよ。床とか窓からスーッと入ってこれるんだよ。背中にこーんなに大きな白い羽が生えてるの。小さくなることもできるんだ。」
――え?天使⁉️
娘のヤキモチ
さらに、幼稚園から帰り道の自転車の後ろからは、
「わぁ、じーじがついてきてる!笑ってるよ!速い、速い!!」
こたつで寝転んでいたり、お風呂に入っていたり。
しまいには娘が怒って、
「ずるい!私には全然見えないのに!」
とヤキモチを焼くほどでした。
息子が作り話をしている様子でもなく、義父が本当に会いに来ていたのかもしれないな…と私も思ったものです。
四十九日を過ぎて
けれど不思議なことに、四十九日を過ぎると息子はパタリと言わなくなりました。
本人は今では覚えていません。
――四十九日までは、この世にいると聞いたことがあります。もしかしたら、あの世に行くまでの間、息子を見守ってくれていたのかもしれないなぁ、と今でも思っています。
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✏️四十九日とは?
仏教では、人が亡くなってから四十九日間は「中陰(ちゅういん)」と呼ばれ、魂はこの世とあの世の間に留まっていると考えられています。
七日ごとに閻魔大王の裁きを受け、四十九日目に来世の行き先が決まるとされてきました。
そのため四十九日の法要は「忌明け」と呼ばれ、遺族にとっても一区切りとなる大切な日です。
私が好きな漫画に『死役所』(あずみきし作)があります。
亡くなった人が最初に訪れる「死役所」という場所を舞台に、さまざまな死者が「自分の死と向き合う手続き」をしていく物語です。そこに込められるエピソードはとても人間的で、生きることや死ぬことの意味を考えさせられます。
この漫画を知ってから、義父もこの場所を通って行ったんだなぁ、なんて想像することがあります。興味のある方は、読んでみてくださいね。
TOKIOの松岡さん主演でドラマ化もされています☺️
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