私の再出発ノート⑤|看護学生の夏休み課題から学んだ「気づき」と看護の原点

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📖この記事は、私の再出発ノートシリーズです。最初から読む方はこちらから→40代で看護学校に入ったシングルマザー

初めての夏休み直前、突然の課題

「実習室集合!」

号令がかかった。

筆記用具を引っ掴んで移動!

遅刻したら…おわかりですね?笑

ベッドには、患者役の先生が寝ていた。

謎かけのような課題

この状況を観察して、気がつくことをあげ、何をすべきか考えなさい。

それが、夏休みの課題だった。

え?……

病院のベッドに先生が寝ているだけ。

時々、咳をしている。

頭はぐしゃぐしゃ、使ったらしいティッシュが丸まって床にいくつも落ちている。

枕はとんでもない方向へ。

…だから何なの?

ポカーン……。

またしても「謎かけ」が始まった、と思った。もっと、技術とか、理論とか、教えてほしいのに・・・。と

当時は理解できなかった

咳をしているから呼吸器の病気?

薬もないし、何をすればいいの?

枕がずれてる理由なんて知らない。

ティッシュは拾えってこと?

その先は?

…。

結局、誰も「クリティカルヒット」を飛ばす学生はいなかった。

ひと夏考えても、はっきりした答えは出ないまま。

先生から模範解答も提示されなかった。

ええー!答えがないの…?

嘘でしょう…。

今ならわかる先生の意図

あれから年月が経って、ようやく少しわかった。

看護に模範解答などないということ。

先生はいつも、「その人を全部見なさい」と言っていた。

病気になって入院している姿は、その人のほんの一部。

どんなふうに生きてきて、家族はどんな人で、どんな仕事や考えを持っているのか。

人間をすべて理解することはほぼ不可能。

でも、わかろうと努力する――それこそが看護の真髄だと、今は思う。

もしあの場面でできることがあるなら

課題は架空の想定だから、すべてを読み取ることはできないけれど――

• 咳で苦しいならベッドを少し上げ、枕を直す

• 髪が乱れていたら、調子のいい時に洗髪して整える

• ゴミ箱の位置を変えて捨てやすくする

• 飲み物を提供する

• 汗をかいていたら、清拭や着替えを手伝う

こんなふうに考えることはできる。

原点を忘れない

何もできなくても、

教科書に載っていない看護を必死に考え、絞り出す――

その過程こそが課題だったのかもしれない。

卒業して働くようになってからも、忙しさの中でふと、この原点が蘇る瞬間がある。

どんな高度な医療技術よりも、

私はこの原点を、ずっと大切にしていきたい。

今日も読んでくださって、ありがとうございます。

誰かのお役に立てたら嬉しいです。コメントもぜひよろしくお願いします。

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