[私の再出発ノートエピソード0]自分に誇りを持つこと

勇気のひとしずくをあなたへ

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📖この記事は、私の再出発ノートシリーズです

経済的な不安と、看護師への憧れ

 看護師を本格的に目指す決意を固めたのは、離婚して1年後。医療事務員として働いていたが、収入は少なく、将来への不安は募るばかりだった。

そんな時、仲良くしていた看護師さんが、

「学校行きなよ、まだいけるよ」

と背中を押してくれていた。

 そこから、視野に入れ始めたものの、やり遂げることができるのか、子どもを育てながら学生生活を3年間も続けられるのか———自信がなかった。

予想外の転機

個人クリニックに勤めて3年。受付や会計のほかに、視力検査や眼圧検査などを任されるようになっていた。

コメディカル教室に通わせてもらってはいたが、素人の私が、医療行為に近いことをやっていいのだろうか?と疑問と不安の中、働いていた。

突然の通達

ある朝のことだった。

「明日から、手術をした翌日の患者さんの眼帯とガーゼを外して診察に案内するのを、これからは事務員がやること」と突然発表された。

それは、いつも看護師が行っていた業務だった。私は、驚きと恐怖でいっぱいになり、その朝礼で、

そんなことはできません!それは看護師さんの仕事ですよね?知識もないのに、手術したばかりの患者さんの眼を触って、眼内炎にでもなったら・・責任取れません!」

感情のまま、言葉を選ぶ余裕もなく言ってしまった。

院長の一言

場の空気が一変した。院長の顔はたちまち険しくなり、怒りのために青白くなった。

そして、こう言い放った。

「責任は僕が取る。だから、言われたことをやればいい」

でも、そうではない。

直接患者さんに触れる以上、実際に行った者が責任を問われる場面は現場でいくらでもある。

国家資格とは、知識と責任の重みを背負う証明だ。

無資格者が「知らなかった」「間違えた」では済まされないはずだ。

反論する私は孤軍奮闘、水を打ったようにシーンと辺りは静まりかえり、言葉を発するものはいなかった。

譲れなかった理由

盲目になって、何も考えずに与えられた仕事をやれ。とは乱暴すぎる…

「別に、眼帯を外すくらい、簡単じゃない」「何をそんなに大袈裟に騒ぐことがあるの?」

と思っている人もいたかもしれない。

でも、これは誠意の話なのだ。

どうしても譲れない領域を譲ってしまったら、私の信念が足元から崩れてしまうだろう。

——————

私は、誇りを持って働いていた。

自分にできることは限られているが、待ち時間のご案内や、わかりやすい説明を心がけ、お年寄りには聞こえやすく、ゆっくりと話すようにしていた。

「ありがとう」

そう言ってもらえるこの仕事が好きだったし、なによりも、この田舎の小さなクリニックを選んで通ってくれている患者さんたちを大切にしたかった。

そんな患者さんたちを裏切ることになるのではないか…

だからこそ、あの命令には従うことができなかった。

代わりはいくらでもいる、という現実

私以外の事務員は命令に従い、私は別室に呼ばれた。反省文を書くように命じられた。それは、他の職員の面前で、雇い主に恥をかかせたことに対する反省を求めるもので、なぜ、私が拒否したか、ということには、一切触れることはなかった。

「事務員など、募集すればいくらでも代わりは来る。いつでも首を据え変えることができる。」

この言葉を私は忘れない。

今の私は、取るに足らぬ道端の草同然なのだ・・・

それでも、負けたくなかった

悔しかった。代わりの人がたくさんいるのは事実だ。

打ちひしがれた心の奥から、力が欲しい!!という声が湧き上がってきた。

今解雇されたら、生活が成り立たない。再就職も難しいかもしれない。

それはなぜか?

自分に選択権がないからだ。

看護師を目指すという決意

きちんと知識を身につけて、国家資格をとって、堂々と人生の選択権を持っていたい。そして、迷いなく患者さんに接することのできる自分でいたい。

それが、揺るぎない決意となっていった。

あの日、譲れなかったこと

それこそが、私の再出発の始まりだった。

譲れないものを守る勇気は、未来を変える力になる。その一歩は、きっと誰にでも踏み出せると信じている。

今日も読んでくださって、本当にありがとうございます。誰かの勇気になったら嬉しいです。

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愛猫:ごまさん
愛猫:ごまさん

再出発シリーズ最初から読みたい方はこちらニャン👉41歳で看護学校へ

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